指導理念

本田道子バレエスクール・バレエ団の指導理念

私がバレエ教室を開校したのは1966年のことでした。

開校当初から、欧米と同レベルの正しいバレエを指導することに専念していましたが、指導すればするほどある問題に直面しました。

それは、こちらがどれだけ熱心に指導しようとも、生徒が家の都合や学校の勉強のためにやめていくという現実でした。

海外のバレエ学校は日本の小中学校のような形が主なので、入学後は6年、9年の決まった時間が約束されています。そのため、指導も余裕をもって計画的におこなえます。

ところが、日本ではバレエ指導はあくまでも習い事のひとつであるため、何年という決まった時間はありません。

誰がいつまで続くか分からない状況の中で、正しいバレエを分けへだてなく指導し続けるのは、指導する側に強い責任感と精神力、そしてなによりも教える努力の9割を捨てる覚悟が必要なことを身をもって体験してきました。

バレエ教室を開いて何年かすると、教師なら必ずこの大きな現実にぶつかります。

一生懸命に指導しても無意味だと考え、いつ生徒にやめられても自分が傷つかないように、力を抜いた指導に切り替える教室もあるほどです。

古い話になりますが、教室を始めて何年かした時のことでした。

知人の先生が、私が必死になって指導している姿を見て「なんでそんなに必死に教えてるの?生徒はどうせすぐにやめるから、手を抜いて教えてもだれも分からへんのに。必死に教えるだけ損やで!」と・・・

当時は確かに10年続く生徒が1人いるかどうかでしたので、10年、20年先を見越した手間のかかる丁寧な指導を全員にしても、ほとんどがムダになるのは明らかでした。まさに積み木崩しの連続です。

昨日までとても熱心に頑張っていた生徒が、なんの前触れもなくある日突然やめてしまう。

その喪失感は熱心に指導すればするほど大きくなるのは当然で、心が折れない程度の「ほどほど」の指導に変わっていく気持ちは理解できます。

しかし私には、いま指導している生徒の中で誰か1人でも10年以上続くかも知れないと思うと、その誰かを裏切るような指導をする気には到底なれないのです。

バレエには決まった技法や理論があります。

しかしそれはあくまでも欧米人のためのものです。

そのため私は日本人に向いた指導法を試行錯誤しながら研究を続けました。

長年にわたり生徒達を見ていて気付いたことは、人は楽しいことが好きで、好きなことしか頑張れないし続かないということ。

つまりバレエをいかに楽しく感じ、どれだけ好きになれるかなのです。

だからといって幼児に簡単なことばかりさせてしまうのは要注意。単純な楽しさはすぐに飽きてしまうからです。

日頃から小さな課題をあたえ、それを克服して次のステップへ進む小さな成功体験の積み重ねが、結果として充実した楽しさになり自然にバレエを好きになって上達していく、これが私の指導法であり理念なのです。

保護者のなかには指導内容をあまり重視されない方もおられるようですが、ただ一つだけ言えることは、はじめに正しく習っておかなければ、バレエ以外の踊りに進むにしても将来の発展性を自ら狭めてしまうということ。

「いつまで続くか分からない」からこそ、クラシックバレエでは“最初”がとても肝心なのです。

この文章を最後までお読みいただいたあなたやお子さんと、一緒にバレエができることを心から楽しみにしています。

本田 道子 略歴
Michiko Honda

1947年、母方の従姉妹にあたる近藤玲子(当時宝塚音楽学校講師)に師事しクラシックバレエを始める。
福田一雄氏作曲の創作バレエで初舞台を踏む。その後、近藤玲子バレエ団(当時)に入団。
多数の公演に出演するほか、長門美保歌劇団の長期公演にて客演。
NHKテレビ番組などにも出演し、関西や東京にて舞踊手として活躍する。
65年:本田道子バレエ研究所(当時)設立。
75年:旧ソ連モスクワ・バレエ・アカデミーへ研修留学。
78,79年:同バレエ・アカデミーの二一ナ・チストヴァ氏を講師として大阪に招聘。本格クラシックバレエの普及に努める。
93年:堺市(大阪府)のバレエ芸術振興を目的として、有志6団体と共に堺バレエ協会を設立し会長に就任。以降、協会主催の「堺バレエフェスティバル」を毎年開催し、多くの観客動員を誇る催しとして定着させる。
97年:ワガノワ・ロシアバレエアカデミー主催・ワガノワメソッド国際セミナーに特別参加。
Osaka Prix(大阪)、こうべ全国洋舞コンクール(兵庫)、コンペティション21(愛知)など、多くのバレエコンクールにおいて審査員をつとめる。


  • 1996年:大阪府知事より文化功労・大阪府知事表彰
  • 2003年:公益社団法人・日本バレエ協会より舞踊文化功労賞受賞
  • 2011年:堺市長より堺市文化功績者表彰

一般財団法人 本田道子バレエ団団長兼芸術監督
本田道子バレエスクール 名誉学園長
堺バレエ協会会長

元:公益社団法人 日本バレエ協会関西支部支部長

教師プロフィール

名誉学園長・本田道子のバレエに対する想いを着実に受け継いだ現教師陣です。
生徒一人ひとりの個性を大切にしながら、成長を実感していただけるように指導を心がけております。
是非私たちと一緒に、バレエの楽しさ・奥深さに触れてみませんか?

本田 亜委
Aki Honda
学園長

ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミー長期留学履修

バレエ教師:本田 亜委

私はバレエを初めて習うお子さんを指導するときには、まずバレエが好きになれるように心がけています。
走り回っている生徒を叱りつけて並ばせても、レッスンが嫌 になるだけなのです。
基本的に最初は生徒の好きにさせますが、経験上、遅くても数回のレッスンで自然にバーを握って並びだします。
これは同じクラスでも年齢や経験の違うお友達やお姉さんたちが、真剣にレッスンを受けている姿を間近で見ているうち親から見るとレッスンの邪魔をしてるように思えても、 最初 の何回かだけのことですので、ご心配は無用です。
安心して私たちにお任せください。

経歴

9歳より本田道子バレエスクールにてバレエを始める

1991年 埼玉全国舞踊コンクールにて埼玉県舞踊協会賞受賞
1992年 第2回堺シティバレエフェスティバルにてシニア部門第1位
堺市長賞、富士通賞受賞。埼玉全国舞踊コンクールにて埼玉県舞踊協会賞、舞踊協会奨励賞受賞
1993年 英国ロイヤル・アカデミー・オブ・ダンシングへ短期研修参加
埼玉全国舞踊コンクールにて埼玉県舞踊協会賞、朝日新聞社賞受賞
1994年 ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーへの1年間の長期留学生へ選抜され渡露
1995年 エルミタージュ美術館記念公演に出演(ロシア・エルミタージュ劇場)
第3回ワガノワコンクールフェスティバルコンサート出演(サンプトペテルブルグ)
ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミー留学より帰国
1996年 (財)大阪府文化振興財団より大阪府芸術劇場奨励新人の認定を受ける
1998年 社団法人日本バレエ協会関西支部主催バレエ芸術劇場「M・フォーキンの夕べ」のオーディションに合格
“王妃ゾベイダ”役(シェヘラザード)で主役として出演(大阪フェスティバルホール)

現在に至る

麻生川 薫
Kaoru Asogawa

ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミー長期留学履修

バレエ教師:麻生川 薫

私は、基本に忠実に、より正確な技術を身につけてもらえるよう、自分自身でしっかりと見本を見せることを心がけて指導しています。また、バレエを通して素敵な女性になっていただけるよう、お行儀や内面磨きも意識して指導しています。
「先生のようになりたい!」と思ってもらえるよう、努力していきたいと思います。

経歴

4歳より本田道子バレエスクールにてバレエを始める

1991年 埼玉全国舞踊コンクールにて埼玉県舞踊協会賞受賞
1992年 ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーへ短期留学
1995年 ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーへの1年間の長期留学生へ選抜され渡露
学校公演「くるみ割り人形」に出演(サンプトペテルブルグ・マリインスキー劇場)
1996年 ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーへの1年間の長期留学から帰国
2000年 大阪新聞社主催「第1回クラシックバレエコンクールOsaka Prix」シニアの部・第4位入賞
2001年 社団法人日本バレエ協会関西支部主催バレエ芸術劇場「くるみ割り人形」のオーディションに合格、
“東洋の踊り”役でソリストとして出演(大阪国際会議場・グランキューブ大阪)

現在に至る

楠本 理江香
Rieko Kusumoto

ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミー長期留学履修

バレエ教師:楠本 理江香

私は4歳から学園長に教わり、今もご指導いただいています。そして、その教わったことをもとに自分なりに考え、指導させていただいています。 ベーシックは正しい基礎を楽しみながら身につけてもらえるよう、インターは基礎の上にテクニックとバレリーナに相応しい立ち居ふるまいを、それ以上のクラスの子たちには私もまだ現役で踊っていることもあり、実際に踊ってみせて舞台や練習に取り組む姿勢から、色々なことを感じてもらえるように心がけています。
これまでに私は学園長からバレエのことだけでなく、人として大切なこともたくさん教えていただきました。私が学園長を尊敬しているように、子供たちから出会って良かったと思われる先生でありたいと思っています。

経歴

4歳より本田道子バレエスクールにてバレエを始める

1991年 埼玉全国舞踊コンクールにてジュニアの部3位入賞
埼玉県舞踊協会賞、埼玉県文化団体連合会会長賞受賞
1992年 神戸全国洋舞コンクール・ジュニアの部第10位入賞
堺シティバレエフェスティバルジュニアの部第1位、堺市長賞、富士通賞受賞
ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーへ短期留学
1993年 英国ロイヤル・アカデミー・オブ・ダンシングへ短期研修参加
1994年 「第1回青山バレエフェスティバルin大阪」に出演(大阪フェスティバルホール)
1996年 ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーへの1年間の長期留学生へ選抜され渡露
1997年 エルミタージュ美術館記念公演に出演(ロシア・エルミタージュ劇場)
ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーでの1年間の長期留学から帰国
2000年 「第1回クラシックバレエコンクールOsaka prix」シニアの部第2位入賞
2007年 社団法人日本バレエ協会関西支部主催バレエ芸術劇場「バヤデルカ」のオーディションに合格
“ガムザッティ”役で主役として出演(大阪国際会議場・グランキューブ大阪)
2011年 社団法人日本バレエ協会関西支部主催バレエ芸術劇場「パキータ」のオーディションに合格
“パキータ”役で主役として出演(大阪国際会議場・グランキューブ大阪)

現在に至る

本田 百恵
Momoe Honda
助教師

バレエ教師:本田百恵

「バレエは基本が命」
幼い頃から名誉学園長をはじめ、諸先生方からそう教えられて必死に学んできました。
その中で私自身が大切と考えることはバレエを “楽しむ” 気持ちです。バレエ技法の習得は難しく何度も挫折しそうになりますが、それを乗り越えるためにはその状態を楽しめるような心の余裕が必要だからです。
また、私自身がバレエには向いていない身体だけに「本田メソッド」に救われ、努力すべき正しい方向性が理解できたことは私の宝物です。そして今度はそれを生徒さんに分かりやすく伝えられるように、生徒さんとのコミュニケーションを重視しながら指導できる教師を目指して取り組んでいます。

経歴

3歳より本田道子バレエスクールにてバレエを始める

2011年 公社)日本バレエ協会関西支部主催芸術劇場「パキータ」のオーディションに合格して出演(大阪国際会議場・グランキューブ大阪)
2012年 第16回 ザ・バレコン名古屋 セミファイナリスト
2016年 第6回 わかやま全国バレエコンクール ファイナリスト・奨励賞受賞
2017年 公社)日本バレエ協会関西支部主催芸術劇場「海賊」のオーディションに合格して出演(フェスティバルホール)
3月 第1回 NEW GENERATIONバレエコンクール・音楽性賞受賞
8月 ロシア国立ボリショイ・バレエ学校短期留学履修
2018年 公社)日本バレエ協会関西支部主催芸術劇場芸術劇場「シンデレラ」のオーディションに合格して出演(フェスティバルホール)
2019年 公社)日本バレエ協会関西支部主催芸術劇場芸術劇場「コッペリア」のオーディションに合格して出演(フェスティバルホール)
2020年 一財)本田道子バレエ団第5回特別記念公演「白鳥の湖」ソリストに選出される(フェスティバルホール)
5月〜 本田道子バレエスクール教師課程を修了し、助教師として指導にあたる